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今回のえびす顔


  • 肥前名尾和紙谷口裕次郎さん
    • 受け継がれる道具や技術にこだわり、新しいチャレンジを!
    • 第22回の「えびす顔」は、大和町名尾地区にあります手漉き和紙工房「肥前名尾和紙」の谷口裕次郎さんにお話を伺いました。ぜひご覧ください。



  • まずは肥前名尾和紙の歴史など教えてください!

    約300年の歴史があります。
    昔は名尾地区のほとんどの家で和紙づくりをやっていたそうで、100軒ぐらいあったそうです。戦後には30~40軒に減り、だんだん紙作りも機械化されてきて、手漉きは必要なくなってきたんです。だから、だんだん後継者も減って、20年前には3軒になってしまい、今ではうち1軒になってしまいました。
    うちは提灯が専門ってのもあって、今までやってこれたんですよ。長崎の精霊流しとか、博多で言えば大相撲の提灯とか、大宰府天満宮に使われたりしてます。
    現在は、提灯なども含めて特注が9割、残りが商品などギャラリーにおいて販売しています。
  • 名尾和紙の特徴は?

    そうですね。簡単に説明するとまず原料が違います。
    うちでは梶の木が原料です。自分たちで一から栽培してます。繊維が長いのが特徴で繊維同士がからむから強い紙ができるんですよ。その代わり紙質はざらざらした感じになります。
    提灯には、強度が出せる梶の木じゃないとダメなんですよ。デコボコしているのでつるつるした一般的な書道半紙とは違います。かすんだり、にじんだりして味のある字が書けるから喜んで使ってもらえるんですよ。使う方には「ココの紙は頑固やもんね~」っていわれますね。
  • いつから継がれたんですが?

    25才からですね。それまでは会社員をしていました。
    最初は家業を継ぐ気もなかったんです。親も細々とやってて古臭いってイメージだったし。当時はバブル期で会社にいたほうが収入も良かったからね。でも、ちょうど和紙屋がうちだけになったぐらいの時、働いている社長から「家業は継がなくていいのか!?」と言われて、いろいろ考えてみた結果、とりあえず一回やってみるか!というほんと軽い気持ちではじめたんです。
    親は反対でしたね。これからは道具を造る職人もいなくなってるし、注文も減っている状況だったので・・・。でも始めてみるとこれを一生の仕事にできたらいいなと思ったんですよ。中途半端ってのもイヤですし。
  • 苦労された点はどんなところですか?

    当初は提灯用の無地の紙しかなかったんですよ。
    それで色をつけてみたり、さまざま物を造ってはみたけれど、どこで売ればいいかもわからなくて、もちろん工房を訪れる人もいない状況でしたね。
    そのころちょうど三瀬村が注目されだして人が増えてきていた時期なので、三瀬の道路脇で路上販売をしたりもしましたね。始めて1、2年目ぐらいですかね。でもやっぱり売れないんですよ(笑)。
    このままじゃダメだと思い、全国各地(紙漉をされている所)をとにかくまわりました。今でも行きますね。
  • 全国をまわられてどうでしたか?

    いろいろ勉強になりましたね。
    場所によっては嫌がられたりしたこともありましたが、正直いろんな取り組みをされててビックリでした。紙漉職人にはそれぞれ専門があって、その仕事の合間などにいろんな種類の和紙を造られていたんですよ。
    でも、そういう物を集めて和紙の店だけをしているところはあるんですが、紙漉き屋で紙作りから販売までしている所はないんですよ。だからうちでやってみようって思ったんですよ。材料から作り方からなんでも自分たちでしたものだから説明できるし。今では約200種類の商品があります。
    今は、和紙の産地って言われる所でも機械紙メーカーが多いんですよ。私たちは昔からずっと使われている道具や、受け継がれてきた技術で作ることにこだわりがあります。新しいことにもチャレンジはしていきますが、ベースとなるところは守っていきたいですね。
  • 今後の目標はなんですか?

    一時期は東京、大阪、福岡などの都会で使ってもらおうと頑張っていたんですよ。今でも思いはあるけど、それより佐賀で使ってもらいたいという思いのほうが強くなってますね。地元企業等とコラボを経たりしたのがきっかけとなっていますね。一般のお客さまでも昔は福岡を中心に目を向けてて、あんまり地元に目を向けなかったこともありました。でも、結局は佐賀のお客さんが多いことに気づいたんですよ。大事にしていきたいですね。
    あと、新しいことでやり始めているのは「立体和紙」です。継ぎ目無しの一枚ものなんです!和紙は紙の微妙な厚みによって光の通り具合も違い、同じ色の紙でもいろんな表情をみることができます。あと家の壁紙用なんかに、大きいサイズの紙なんかにも挑戦してます。
  • 毎年、松梅地区で作られている干し柿について教えて下さい。

    佐賀市松梅地区の特産です。
    この地区で柿剥きをしない家は無いんじゃないですかね。私のところも11月と12月は和紙作りを休んで干し柿つくりです。もう何百年も前からですよ。うちでは10万個くらい作っています。これでも少ない方ですよ(笑)
    今はビニールハウスで作っていますが昔は柿を干す小屋を作ってました。もう、柿をしないと正月がこないって感じですね。
  • 佐賀市の観光について思うことは?

    山間部(三瀬・富士・大和)で一緒になにかできれば良いなと思います。
    そして三瀬まで来ている多くの観光客の皆さんにあと少し足を延ばして大和町まで来てほしいと思います。また、神埼の「九年庵」からの観光客の方も多いんですよ。佐賀市の枠にとらわれないってのもいいかと思います。
  • 最後にえびす顔で PRををお願いします。

    普段の生活でも身近に和紙を使ってもらいたいですね。でもよく言われるのが「使いたいけどどう使えばいいかわからない」と言われます。そのような方には、是非一度見に来ていただきたいです。来て見ていただければ良さが伝わると思います。
    私は芸術家ではなく職人なのでなかなか難しいのですが、お客さんといっしょに勉強していきたいですね。これからもよりよい物を作っていきたいです。
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